過敏性腸症候群 心療内科

過敏性腸症候群は心療内科や精神科の治療で治る場合もある

過敏性腸症候群の治療は消化器内科だけでなく、心療内科や精神科で行われることもあります。

 

過敏性腸症候群の症状は下痢や便秘などの、「腸」に関するものですが、その下痢や便秘の原因は精神的なことによるものなので、ストレスや不安を取り除く治療で改善することも多いです。

 

まずは消化器内科を受診する

初めて病院に行く場合、どの科を受診すれば良いのか迷ってしまいますが、まずは消化器内科を受診したほうが良いです。というのも、現在起こっている症状が本当に過敏性腸症候群によるものなのか?を検査する必要があるからです。

 

下痢や便秘などの症状は、大腸がんや潰瘍性大腸炎、ポリープなどが原因でも起こります。これらの病気が原因ではないことを確定させなければ、過敏性腸症候群と診断することができません。

 

いきなり心療内科を受診するのはダメなのか?

症状が限定的に起こる場合や、あまりにもストレスが強い場合は心療内科から受診するのもありです。

 

「症状が限定的」というのは、緊張したときだけ下痢になったり、休みの日は平気なのに通勤時間になると下痢になるなど、明らかに精神的な症状と結びついている場合です。

 

はじめに心療内科で相談に乗ってもらい、その後の治療の流れを決めることもあります。必ずしも消化器内科から受診しなくてはならないというわけではありません。

 

ですが、先述した通り、過敏性腸症候群の診断には大腸の検査が必要不可欠ですので、1度はちゃんと診てもらう必要があります。

 

⇒過敏性腸症候群の検査方法

 

心療内科と精神科の違い

精神症状に関する病気の場合、心療内科だけでなく精神科もありますが、過敏性腸症候群の場合は基本的に心療内科でOKです。

 

心療内科は精神科に行くほど深刻ではない人が行く場所と考えている人も多いようですが、厳密には違います。

 

心療内科はその名前の通り内科ですので、精神症状に加え、体に異変が起きている場合はこちらを受診します。

 

  • ストレスが原因で下痢が続く→心療内科
  • 下痢になったらどうしようと不安になってお腹が痛くなる→心療内科
  • 腹痛が怖くて外に出られない→精神科

 

このようなイメージです。ただ、最後の「腹痛が怖くて外に出られない」場合であっても、まずは心療内科で構いません。精神症状が重いと判断されれば、より専門的な治療になります。

 

心療内科で行われる治療法や使われる薬

心療内科で行われる治療

  • カウンセリング
  • 薬物療法

 

過敏性腸症候群はひとりひとり症状の重さが異なり、抱えているストレスや生活習慣に違いがあります。そのため、治療の流れが決まっているわけではありません。

 

まずは患者さんが一番困っていることから優先的に治療していき、徐々に他の症状も治していくというのが一般的です。

 

  • 通勤中の下痢が一番辛い→まずは下痢を抑えるための薬から始める
  • 精神的な落ち込みが激しい→通常の治療と同時にカウンセリングや抗うつ剤の使用

 

このように、患者さんにとって最も必要とされている治療から始めます。

 

カウンセリング(心理療法)

医師に悩みや不安を吐き出すことで、溜まっていたストレスを軽くすることができます。また、いろいろな角度から自分が抱えているストレスについて診断してくれるため、自分が何で悩んでいるのかを明確化でき、対処しやすくなります。

 

医師に細かく話をすることで、治療もスムーズに進みます。「通勤中におなかが痛い」という情報だけで治療をするのと、「朝8時頃に通勤中の電車でお腹が痛くなり、途中下車をしてしまう」という情報で治療をするのとでは大きく違いますよね。

 

後者の方が医師もイメージしやすいですし、アドバイスもしやすいです。お薬の処方もしやすいですから、治るまでの道のりが短くなります。

 

このように、患者さんの悩みや状況を明確に把握するのもカウンセリングの目的です。

 

心療内科=心が弱い、うつ病や精神病の人が行く特別な場所と思っている人が多いですが、そんなことはありません。特に、過敏性腸症候群の場合は体のどこかに異変があるというよりも、日々のストレスによるものが大きいですから、心療内科に行くのは正しい選択です。

 

ただの下痢ぐらいで・・・と思うかもしれませんが、話を聞いてもらうだけでも大丈夫です。人によっては、カウンセリングだけで症状が回復し、過敏性腸症候群が治ってしまうこともあります。

 

薬物療法

心療内科でも、消化器内科と同じように、腸の異常運動を抑えるお薬や、自律神経の働きを正常にするためのお薬などを使います。まずはカウンセリングと通常のお薬で様子を見ていくことが多いようです。漢方薬なども使われます。

 

⇒過敏性腸症候群に効果がある漢方は?飲んでも効かない?実際に飲み続けた感想と効果

 

それでも症状が回復しない場合や、精神的な症状が重い場合(外に出られないなど)は、抗うつ剤抗不安剤を使うこともあります。

 

抗うつ剤と聞くと、薬漬けになってしまうようなイメージがどうしてもありますが、現在使われているものはそういった副作用はないようです。私自身も同じようなイメージがあり、病院で相談した時も、その類のお薬は断っていました。

 

抗不安剤などのお薬は、ただ単にストレスを減らすのではなく、自律神経に作用して下痢などの症状を抑えたり、症状に対する不安を抑えるものもあります。おなかが痛くなったらどうしよう、下痢になったらどうしようというような、予期不安を軽減することに対しても期待できます。

 

これらのお薬は必ず使われるわけではなく、患者さんの状態によってさらに細かく使い分けます。そのため、カウンセリングが非常に重要になってくるのです。上記で紹介したお薬はほんの一部でしかありません。

 

症状が良くならない時は心療内科へ

よくあるのが、「何年も同じ薬を飲み続けているのに全然良くならない」というケースです。私自身もそうでしたし、過敏性腸症候群で悩む患者さんの多くがこのような状態です。

 

消化器内科で処方されたお薬を続けても一向に良くならない場合は、1度心療内科を受診するのも悪くありません。

 

自分自身が悩んでいることや、その悩みに対してどうすればいいのか、どのように生活していけば良いのかなどをアドバイスしてもらえますし、心の負担も軽くなります。